彼は、理想の tall man~first season~
翌朝、7時頃目覚めて、リビングに下りると、母が朝食をテーブルに並べ、父は庭でゴルフの練習をしていた。
「お母さん、何か手伝うよ?」
「家に帰って来た時くらい、上げ膳据え膳で楽してなさい」
「ありがと――それじゃ、私もちょっと庭に出てくるね」
「本当に美紗は、お父さんの事が大好きねー」
「親孝行な娘って感じで、いいでしょう」
「そうねぇ、口も利きたくないなんていうんじゃ困るものね」
母の言葉を背に、外に出た。
「お父さん、おはよう」
「おはよう――昨日はゆっくり眠れたか?」
「うん、バッチリ! 私も一緒に練習してもいい?」
お父さんと一緒にパター練習をしながら、昨晩では話し足りなかったこともあって、色々な話をした。
懐かしい庭や、この時間帯特有の清々しい空気が、実家は実家で、やっぱりいいもんだな、なんて実感した朝。
「美紗、尚輝起こして来てくれる? せっかくだから、みんなで朝食にしましょう?」
「はーい、叩き起こして来まーす」
練習を終えて家に入ると、母からの提案。
私はいそいそと階段を駆け上がった。
尚輝を揺すり起こして、久々に家族全員での朝食。