彼は、理想の tall man~first season~
「っ、尚輝、そんなこと言ってたんですか? 超失礼!!」
なんて奴だって気持ちで、一気に私はヒートアップ。
反して中條氏は、至って穏やかだった。
「怒んないでやってよ。尚輝なりに本気で心配してたから」
「いや、そうかも知れないですけど。そうだったとしても枯れてるとか、言います? 普通」
あーなんか、本当に腹立つ!!
マンションのベランダから、思いっきり『尚輝のバカ』って叫びたい気分だった。
「でも、その話を聞いてなかったら、特にその妹に興味持つこともなかったから、今日ここには来てなかっただろうし。だから俺としては、結果的に聞けて良かったけど」
「――はぁ」
「別に、いきなりどうこうしようとか思ってはないけど、」
「・・・・・・え?」
「たまに食事するくらいの関係からって、どうかな?」
「――はい?」
一体なにを言い出すのかと、私はかなり驚かされていた。
――本気? っていうか、正気なの?
思わぬ話の展開に、私は見返すしか出来なかった。
でも、爽やかにフッと笑みを浮かべた中條氏に、私の心がちょっと動かされたのは、間違いない話だった。