彼は、理想の tall man~first season~
「本質的な部分は分からないけど――尚輝が勧めて来た人だから、いい加減な人じゃないって、信じるしかないよ」
「まあ、そうだけど――結婚してからいい加減な人だって気付いても遅いから、しっかりそこの部分は見極めておくんだぞ」
「はぁい」
父は心配性だけど――敦君に会ってもらえば、心配も吹き飛んでくれるはず。
早い所紹介しておいた方が、安心するのかな。
「美紗達の新居にそろそろ行ってみようかって、母さんとこの間話してたんだ――その時にでも、彼に会えるか?」
「え? うん――多分大丈夫だとは思うけど、急な出張とかはあるみたい、だから」
「それじゃあ、タイミングが合えばだな」
ナイスタイミングだと思いながら心が弾む。
「うん、でも、来るときは早めに言ってね?」
「次のフライト明けの休みあたりかな」
「わかった! お父さんの好きなご飯用意して待ってるね」
穏やかな父の話し方がとても懐かしく感じられた時間。
尚輝は気を利かせたのか――面倒だったのか――なかなか戻って来なくて。
父親とのデートで、久々に欲しい服や靴が手に入れられて。
少し早めの誕生日プレゼントと称して、私は尚輝に内緒で、欲しかった物も買ってもらった。