彼は、理想の tall man~first season~

「いいんだよ、親の元気な顔が見られて、俺の元気な姿も見てもらえたんだから」

「同じ時間過ごすな、ちょっとくらい会話に加わってもさ、」

尚輝の別れ際の我関せずな態度に、ちょっと私はイライラしていた。


「美紗、男なんて久々に実家帰ってもそんなもんだぞ」


尚輝に抗議している途中、晃からの尚輝に対するフォロー。

男って、本当にそういうものなのかな。

そうだとしても、もう少しこうあるでしょ!?

というのが私の気持ちだった。


「あ! 美紗、この先の酒屋寄って」

「え? なんで――寄ろうと思ってたけど、晃に言われると寄る気が失せる」

「はぁ? あっちゃんにお土産買って行くんだから寄れよ」

「なんで晃が」

「は? 俺同居人だし、お前以上に、普段から世話になってるし?」

「なによ、お前以上にって、強調することないじゃない」

「地酒買って帰るって約束してんだよ、いいから寄れ、ちび」

「ちびだなんて思ってないくせに!」

「ああ、そうだな、お前のその態度は全然ちびなんかじゃねぇよな」

「なんなの、突っかかってこないでよ」

『っうるせぇな、黙って運転しろよ!』

「もういい!! 頭にきた!!」
< 716 / 807 >

この作品をシェア

pagetop