彼は、理想の tall man~first season~
中條氏は、いきなり付き合うとか、そいうことを強要するでもなさそう。
それならきっと、中條氏も私がどういう女なのかというのを見極める感じ?
中條氏が、どこまで尚輝から聞いているのかは知らない。
でも、物腰の柔らかさからも、私のペースに合わせてくれようとしている雰囲気は感じる。
強引に踏み込んでくる感じはなくて、一定の距離は置いてくれている感じはある。
ゆっくり考えながら、心のままに――そういうのも悪くはないかな、と。
私はそんなことを思っていた。
「今月いっぱいは、休暇の消化で時間持て余してるから」
気が向いたらでいいから、連絡くれる? と、そんな流れで、互いのラインと携帯の番号もついでに交換。
でも、交換はしたけれど、雰囲気的に――私からの出方を見ようという感じがした。
素直な気持ちとしては、嬉しいと思ってる私。
でも、こういうのって社交辞令ってのが世の常ってなもんで。
これを本気と真に受けて、連絡をして――この女、本気にしたのか?
通じねぇ女――とか、そう思われても微妙。
だから、時間とか気にしなくていいからね、と――そう言われ、私は曖昧に軽い笑みだけ向けた。