彼は、理想の tall man~first season~
chapter.05*

「ちょっと、なんでよ!?」

「だから、ゴメンて」

「私の方が先約でしょ?」

「非常事態なんだから仕方ないだろ」


本当なら、日曜である今日の午後、車を購入する為に、尚輝にディーラーに付き合ってもらう予定だった。

なのに、晃からの電話によって全てはぶち壊され――。

挙句、この尚輝の口からは、敦さんに頼んであるから――なんて言葉が飛び出し、一緒に行ってもらえだなんて、頭の悪い事を言い出す始末。


「尚輝、あんたねぇ、失礼にも程があるわよ!?」

「なんだよ」

「中條さんは上司で、しかも、家にはお客様として来てるんだよ?」


朝起きてから、そんな話の展開にキレた私は止まらなかった。


「いい? その中條さんに厄介ごと頼むなんて、尚輝神経どうかしてんじゃないの? 昨日だって中條さんほっといて、自分はコンビニ行くとかさ。 あり得ないから、そういうの!! 非常識だよ」

「あれは、俺なりに気を遣ったんだよ」

「そんな気、遣わなくて結構です!! 折角来てくれた人に対して、放置とか本当にありえないんだからね?」

「はいはい、解ったよ」

「なに、その態度!?」

「あ?」
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