彼は、理想の tall man~first season~

今度は私に向かって言い出したので、ムカついてスリッパを投げてやった。

謝るバカ尚輝に、頑張って勝って来いよ――なんて、そう言った中條氏の声が、廊下まで聞こえてきた。

それを聞いて、素直に中條氏をいい人だと思った。


「晃に、バカって言っといて」

急ぎ足で出掛けようとする尚輝に、私の口からは、恨み節。


「あ!! 美紗、敦さんにパンツ出しておいて。新品のが俺のクローゼットの――」

自分でやってから行きなさいよ! って、思うことを、私に言いたいだけ言って、尚輝は足早に出掛けて行った。


中学でバスケ部だった尚輝。

晃もバスケ部で、尚輝以上にバスケが好きだった晃は、高校でもバスケ部に入って、キャプテンを務めた。

その晃は社会人になってから、学生時代バスケ部だった会社の人なんかと、元バスケ部ということで意気投合したらしく、お遊び程度で試合をしたのをキッカケに、サークル活動に目覚めたらしい。

ただ、サークル活動の難しさは、やはり皆がプライベートと並行して活動をしているという事。

尚輝は人数が足りない時、たまに声を掛けてもらって、助っ人としての立場で楽しんでいたりだったけど。


決勝まで進んだんだ。
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