彼は、理想の tall man~first season~
近い中でもちょっとのパーソナルスペースが、絶妙というかなんというか。
兎に角、今の私達の距離的な感じが、ほど良い感じなんだ。
ただ、ドキドキ感はそれと反して、ちょっとおかしなことになるんだけど・・・・・・。
だから、感情って不思議だなって思う部分もあるけど。
地図をプリントアウトして、それを見ながら、さっきよりも、明日の朝が楽しみになった。
「ありがとうございました。見てもらえて良かったです」
「明日から車で行くの?」
「はい。明日、夕方から雨みたいなんで、そうしようかなと思って」
「行き帰り気をつけてね」
「はい――ようやく買えた車なんで、ぶつけないように気を付けます」
お互いに頬を緩ませて、私の部屋には、間違いなく穏やかな空気が流れていた。
だけど、穏やかだった部屋の外から――
「うわっ、これマジかよ」
「やべー、若過ぎんだろこれ」
それを打ち消す声が聞こえて来た。
男2人の騒がしい声が聞こえて来て、雰囲気ぶち壊されたその声に私は気分がげんなりした。
懐かしの映像でも見始めたんだろうな――。
それが、聞こえて来た会話からの率直な感想だった。