彼は、理想の tall man~first season~

でも、当時は突き指するかも知れないって考えちゃうと、誰かからパスを貰うのが怖くて、一切バスケとかバレーとか、やらなかった。

高校に入って、後にピアノ習うのを辞めた後も、独学で弾いてはいたから、引き続き見学者だったし。

まぁ、ひとりでおっかなびっくり、ドリブルくらいはしたことはあるけど・・・・・・。

体育の授業が楽しかったという記憶は、殆どない。


スポーツに関して楽しかった想い出といったら、完全にプライベートではあるけど、真夏の海水浴場でのビーチバレーかな。

あれなら危険な球は、足なり頭なりで返せたから、私でも充分楽しむことが出来た。

地元の仲良しグループで、浜辺で和気藹々、たまにジュースを賭けたりして盛り上がって。


今年は、お盆近辺で、みんなで集まれるかな?

あとで有紀に久々にメールしてみよう。

そんなことをぼんやり思いながら、試合を流し見ていた私は、

「はい、つーことで前半はこれで終了! んで、後半もこっちの圧勝で、めでたく地区大優勝で、県大出場出来ました」

晃の声に、一気に現実へと引き戻された。

映像を止め、結末を言うなり、晃はテープをハンディカムから取り出した。
< 796 / 807 >

この作品をシェア

pagetop