彼は、理想の tall man~first season~
制服も懐かしいけど、体育館の造りとか、本当に懐かしい。
お風呂に入ろうと決めていたのに、恥ずかしいけど自分の事なのに好奇心がわいて、その場に留まってしまった。
時折、機材チェックの音やら、マイクをテストする声が体育館内に響く。
雑音の中に、ドラムの確認音。
私が弾いたであろうキーボードのチェック音もなんとなし流れた。
「あ~、尚輝君、ここで見てるの?」
「晃君もいるじゃん! 一緒に見てい~い?」
キャピキャピとした感じの女子グループが、映像を遮る。
『お前ら、あの先輩目当てなんだろ? 前でキャーキャー騒いで来いよ。ここに居てもたいして見えねーぞ』
「え~、一緒に前行こうよ! 妹ちゃんも出るんでしょ~」
『妹ちゃん言うな、妹ちゃんて感じでもねーだろ、あれは』
「え~でも、妹でしょ? 戸籍上は」
『ごちゃごちゃうるせーな。早く前行かねぇといい席とれねーぞー』
女子達は、渋々と言った感じでその場から離れた。
『晃、あれ何組の女? 尚輝君とか言われたけど、俺知らねーし』
「アハハッ、尚輝、そういうとこあるよなー。やっぱ今日ドライ確定だな」