彼は、理想の tall man~first season~
契約しないことには手に入らない訳だし。

ていうか、昨日知り合ったばっかりの人と、2人っきりにするって、尚輝は本当に何考えてんだろう?

昨日から尚輝の行動は、私の想定外の行動ばかり。

それによってかなり振り回されているから、怒りが頂点でも当然の流れだ。


2人で一緒に出掛けるとか、まるでデートだし。

ま、ディーラーなんだけど。


本当にこれからどうしようかとあれこれ頭を悩ませていた。

でも、行くことが100%決まった訳でもないんだし、中條氏の様子を窺ってから決めても。


そんな風に考えていると――ねぇ、と。

脱衣所の方から声が聞こえ、私は慌てて煙草の火を消した。

足早で廊下に出ると、これ借りちゃっていいのかな――と、中條氏は尚輝の服を手にして聞いて来た。

だけど、中條氏の姿にドキッとしていた私は、軽く頷くしか出来ず。

「ありがとう」

そう言った中條氏はやはり爽やか――ってゆうか、私は本気で焦ったんだ。

大学時代に水球をやっていたと昨晩聞いてはいたけれど――上半身裸だった中條氏の体つきは、私の想像以上に筋肉質。


それは、反則だし――それは、ダメだろうと思った。
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