彼は、理想の tall man~first season~
アハハなんて笑う松本さん。

今のは冗談? 真面目な話?

誰の言葉をどう信じればいいのか――だけど、聞くなら今がチャンスと思って、私は松本さんへと視線を動かした。


「女性が放っておかなそうな感じですよね…」

「この中條君は、黙っていても女が寄って来るからね~」


んーやっぱり、おモテになられるんですね。

探りを入れている自分に、呆れながらも、やっぱりって感情が胸をチクチクさせる。


タイミング良くなのか悪くなのか――中條氏のスマホに着信。

彼は席を離れた。


「ねぇ、中條とは、なにで知り合ったの?」

「中條さんとは、私の兄繋がりで」

「お兄さんいるんだ」

「はい。でも、兄って言っても双子なので――特別兄って感じでもないんですけど」

「え、双子なの? それじゃ二卵生?」

「はい。中條さんは、その兄と同じ会社で」

へぇ~っ、と驚きつつも松本さんは、それで? みたいな空気を私に向けてくる。


「昨日、中條さんが家にいらして、それで――」

「ん? それじゃ、出会いたてホヤホヤ?」

「え? あ、はい」


出会いたてホヤホヤって、松本さん――。
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