Trick or Trick ?
何を話してたかは、分からないけど、気づけば家の近所まで来ていた
すると冬馬が、突然立ち止まり沈黙した
だから、私も歩みを止める
「冬馬?」
「あのさ、鹿奈」
何かを決意した様子の冬馬が、真剣な顔を私に向ける
「何…?」
「…付き合って欲しいん…だけど」
私は冬馬が言ったことに、返事をした
「うん。どこに?」
「………………。」
答えると、何とも言えない顔で冬馬が私を見る
すると、冬馬が鞄を漁り出した
意味が解らず、見ていると冬馬が何かを手にしていた
そして、キュポッという音がして…嫌な予感
「あの、冬馬?油性マジック何に使う…っ?!」
そして
私の問いかけを無視して、冬馬はペン先を私の額に押し付けたのだった