償いノ真夏─Lost Child─
*
学校で顔を合わせた夏哉は、寝不足のような赤い目をしていた。
真郷も夏哉も、どちらともなく昨日の事に触れた。
「──昨日のアレ、誰かに話したか?」
「いや。……真郷は?」
「おばあちゃんに話したんだ。そしたら凄い剣幕で誰にも話すなって。だから黙ってた」
「そっか……」
昨日の事が怖いのは二人とも同じだった。自然と口数も少なくなる。
そんな中、真郷はふと思い出したことがあった。
「そういえば、おばあちゃんがあれは『堀川の美那江』だって言ってた。『祭りの後に狂った』とかも……」
そう言うと、夏哉は顔色を変えた。