償いノ真夏─Lost Child─





今日も言えなかった。
今日も、また。

今日も──……


同じ日々を繰り返して、同じ後悔を積み重ねていく。

日の当たらない縁側で、真郷はぼんやりとしていた。
雪解けは始まっているが、春にはまだ遠い。

隣に寄り添う九郎の体温だけが暖かい。

村の四季は穏やかで、時間がこのまま止まってしまうような気さえする。


< 128 / 298 >

この作品をシェア

pagetop