償いノ真夏─Lost Child─
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休憩時間になると、真郷はあっという間にクラスメイトに囲まれてしまった。
そんなクラスメイトの波を避けるように、小夜子は教室を飛び出した。向かう場所はもちろん、夏哉のところだ。
夏哉もちょうど此方へ向かっていたらしく、廊下を歩いていた。目が合うと、小夜子のほうへ駆け寄ってくる。
「姉ちゃん!姉ちゃんとこ、転校生来たんだって?しかも名前、深見なんだろ?それってさ──」
「うん、その……たぶんだけど、彼、だと思う。でもわからないの。どうしよう、ナツ……」
「どうしようったって……つーか、オレもそいつ見たい」
「へ?──あ!ナツ!待ってよ!」
夏哉は小夜子の制止も聞かずに、教室へと駆けていく。すばしこいので、既に背中が遠い。
「ナツったら……」
仕方なく、小夜子も後を追う。すると、教室の前に夏哉の後ろ姿が見えた。