償いノ真夏─Lost Child─
──それは、雨の降る日の放課後。
その日は、天気予報で午後から雨だと言われていた。
「天気予報なんてどうせ当たんねーじゃん」
夏哉はそう言って傘を持たずに家を出たが、小夜子は念のため、夏哉の分も折り畳み傘を用意して学校へ向かった。
案の定、終業間近で雨は降りだしたのだが、傘を届けに行くとすでに教室に夏哉の姿は無い。
仕方なく帰ろうと玄関へ向かうと、よく知った後ろ姿が見えた。