償いノ真夏─Lost Child─





「あの……朝霧さん、前に俺が思い出の男の子に似てるって言ったよね」


発端は夏哉が拾った仔犬を真郷が引き取ったことだった。

それから急速に、小夜子と真郷の距離も縮まっていた。

「実は、俺にも思い出の女の子がいるんだ」

それがあまりにも急すぎて、小夜子はただ呆然と真郷の言葉を聞いていた。

「朝霧さんを見て、やっと会えたって思ったんだけど……違うのかな」

まさか、あの深見真郷からそんな事を言われるなんて誰が想像しただろう。

純粋で切なげなその瞳には、はっきりと小夜子の姿が映っていた。

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