短‐好きかなんてわかんない
「………ごめん!愛梨。」
男の子と別れて、真紀と二人になった。
途端、真紀にものすごい勢いで頭を下げられた。
「真紀……。頭なんて下げないでよ。」
「でも、私。愛梨……」
「怒ってないよ?怒れるわけないじゃない。真紀は私より前から、聡が好きだったんでしょ?私のせいで苦しめちゃってごめんね?」
「………そんなこと。」
本心だった。
真紀のこと大好きだし、失恋は悲しかったけど、怒ったり恨んだりはしてない。
「よかったね、真紀。おめでと。」
そう素直に言えたのは、あの男の子のおかげだ。