恋のはじめ
でも、嬉しかったんだ。
ずっと言って欲しかった言葉を、まさか新選組に言われるとは。
新選組のくせに・・・・
心境としては複雑だが、正直嬉しいの方が勝っていた。
「ありがとう・・・・」
小さく呟き、それから口を固く閉じた。
「そういや咲希、いつも同じ袴だよね?」
話題を変え、藤堂が首を傾げて咲希に問うた。
「あ・・・他に袴持ってなくて・・・男性用の着物なんてないし・・・・」
「え・・・・?」
言って空気が止まった。
言葉に違和感を感じる。