恋のはじめ
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拝啓、父上様
新選組に入隊してひとつきが経ちました。
もしかして私、隠すの下手ですか?
『今更……』というそんな呆れた声が空から降ってきそうな昼下がり、咲希は肩を落として京の町を回った。
だが、突然別の言葉が降ってきた。
「何か落ち込んでない?」
それは他でもなく、咲希が所属する一番組組長からの言葉で、「わかりますか…?」といつもより低いトーンで返した。
「まぁ、そんなあからさまに下向かれちゃね」
言われて気付いた。
さっきから自分の目には地面しか映ってない。
「何か私、人生がわからない方向向いてる気がします……」
「何だ。今更気付いたの?ここに居る時点でおかしいよね。馬鹿だよね。考え方理解できないよね」
「あの・・・そこまで言ってないです・・・・」
テンションを変えずにツッコミを入れる咲希。