恋のはじめ



そして、今のが前触れだったかのように、土方と目を合わせ、大きな声で言った。






「攘夷浪士が許せないんです!!」







下唇を噛み、怒りを堪えたような素振り。






そんな咲希に「聞こうじゃねぇか」とでも言わんばかりに、胡坐を搔き直した。






近藤も前屈みになり、咲希の話に耳を傾ける。







「私の父は、攘夷浪士に殺されました」







瞬間、驚いた顔をする近藤。






だが、土方は顔色一つ変えずに眉間に皺を寄せたまま。







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