恋のはじめ
だが沖田は、意地悪そうに口角を上げた。
「もしかして、真剣での切り合い初めて?」
首を傾げる沖田に、咲希は否定も肯定も見せなかった。
「お、沖田さんさっきからうるさいですよ!!もっと真面目に・・・」
だが、沖田の声で、その小さな怒鳴り声は止められた。
「戦場では一瞬のためらいも命取り。こっちが殺らなきゃ殺られるよ」
「なに・・・・」
「役に立つといいね、僕の教え」
言って池田屋に目線を移した。
そして、
「御用改めである!!」
近藤の掛け声と共に、皆剣を抜いた。
それが合図となり、どんどん宿内へと駆け込んだ。