恋のはじめ
「とか言って、一番に自白したのは総司じゃん」
藤堂の呆れた声。
そして、誰からともなく中庭へ下りた。
「処分かあ……」
沖田の呟きに、咲希は申し訳なさそうに俯いた。
「皆さん、切腹とかじゃなきゃいいですけど・・・・」
「それは大丈夫だと思うけど・・・咲希、皆の心配してる場合じゃないんじゃない?」
藤堂に続き、沖田もそうだそうだと同意する。
「咲希ちゃんも女の子だから切腹はなくても、確実に追い出されるよ。軟禁ならまだいいけど、あの空気はそんな感じじゃなかった」
沖田が言ってすぐ、なぜか山崎がちらちらと斎藤を気にし始めた。
それに気付いた沖田がすぐさま話題を変える。
「山崎くん?どうかした?」
「いや・・・斎藤組長はこれでいいんですか?」
大きな幹に背中を預け、腕を組んでいる斎藤に向き直り、山崎は真剣な顔で、声でそう言った。
だが、斎藤が何かを発する前に沖田が口を開いた。
「まぁ、僕もそれは思ったよ。咲希ちゃんに話すことあるでしょ?」