恋のはじめ
何が起こったのか分からず、唖然とする咲希に沖田が一言。
「なめないで下さい」
勝負前の咲希の言葉を繰り返した。
「てめっ・・・」
怒りに燃えた咲希が今にも襲い掛かりそうな勢いで沖田を睨む。
だが、構わず沖田は自分の大きな手を咲希の頭に乗せた。
「まぁ、その躊躇わず突っ走るとこ、いいんじゃない?でも僕は反対です。この子が入隊すること」
そして道場を出た。
「ムカつく・・・・」
沖田が触れた場所を両手で押さえ、呟いた。
いつの間にか土方もいなくなっていた。