恋のはじめ
____5
****
『父上、どこへ行くのですか!?』
真っ暗な中、宗弘の姿がどんどんと遠ざかって行くのが見える。
『父上、私も連れて行って下さい!私には、もう父上しか居ないのですっ!』
だが、宗弘はどれだけ咲希が呼ぼうとも、振り向きもせず消えていった。
『父上ーーーーーー』
その瞬間、目が覚めた。
「夢・・・・・」
体を起こし辺りを見回すと、まだ見慣れぬ平隊士の部屋。
他の隊士たちは、1日の疲れを全て解消しているかのように、まだ爆睡している。