恋のはじめ
「そっか・・・私・・・・」
父の仇をとるため、男装をして新選組に入隊したのだ。
当たり前だが、周りは男ばかり。
初めて男と同じ部屋で夜を過ごすのには抵抗があったが、今はそんなこと気にしている場合ではない。
外はまだ暗く、朝は遠いようだ。
部屋にはこんな大勢の人がいるにも関わらず、孤独を感じる。
咲希は外の空気をと、縁側へ出た。
月の光で、中庭が照らされる。
少しだけ、綺麗だと思ってしまった。