恋のはじめ





静かに、だが声に力を入れそう言う咲希。





しかし、斎藤は喜怒哀楽のどれにも属さない表情で咲希の話に疑問を抱く。






「新選組に?攘夷浪士じゃないのか?」






「そんなの嘘に決まっている。私は父を殺した新選組の復讐のために入隊したんだ。そうでも言わないと入れてもらえるわけがないからな」






拳を握る力を強め、あの日を思い出す。








どう足掻こうと、敵わなかったあの男。







顔なんて覚えていない。







が、見つけ出して必ず殺すと決め、ここに来た。







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