恋のはじめ
「何ですか?仕事って・・・」
新人だからどうせこき使われるのだろうと、咲希は嫌々声を出した。
が、
「ないよそんなの」
予想外の沖田の回答に、驚くというより呆れる。
「意味分かりません」
ため息混じりに言う咲希の台詞と若干被せ、沖田が口を開いた。
「じゃあ、あのまま室と一緒に行ってて良かったの?」
「え・・・・」
嫌な予感がする。
明らかに心臓が早くなる。
呼吸の仕方さえも分からなく感じる程息苦しかった。
次に出る沖田の言葉が怖い。