恋のはじめ
見て見ぬ振りをしてくれることと、さっき助けてくれたという事実への驚き。
「い、いいんですか組長!?」
隣では、山崎が慌てたように沖田へと一歩寄る。
「土方さんにもこの子のこと頼まれてる?」
「えっあ、はい」
「島原屋、島原宗弘の息子って伝えといて」
それだけ言うと、沖田は背を向けて部屋を出た。
残された咲希と山崎は、その場に立ち尽くしていた。
咲希は山崎のことを警戒していたが、山崎は何も言わずに出た。
「何で・・・・?」
何故許してくれたのだろう。
今更斎藤が言った台詞が気になる。