ワケがありまして、幕末にございます。
「やるねぇ、若いの!」
「まだまだ若い奴等も捨てたもんじゃないな!」
背後から、いや、いつの間にか居た、道を塞ぐ程の沢山の見物人から歓声が上がった。
「兄ちゃん強いね。
けどこの辺りじゃ見ない顔だね。
旅の人かい?」
「え…あ、まぁ…」
に、兄ちゃん?
アタシもしかして…男に見えてる?
つかマジで此処どこよ?
「わぁ〜凄いですね〜」
一際声が近くに聞こえたと思ったら、髪の長い青年がアタシの真後ろにいた。
「あ、この人、長州の人ですねぇ〜」
「あの…?」