ワケがありまして、幕末にございます。
“君は何の為に戦う?”
暗い、というよりも闇に近いその場。
“愁、君は何の為に戦う?”
――知らない、分からない。
“本当に?
君は何の為に刀を取る?”
――……。
音だけがアタシに問う。
“何で強くなりたいの?”
――何でって…
“そう、何で?”
――知らない。
“本当に?
じゃあ…こうなってしまっても良いの?”
闇が開け、視界に倒れている人達が映った。
青白くて、血の気のない人形みたいな人達。
――あ、ぅあぁっ…。
“良いの?
こうなってしまっても。
未来が変わってしまっても”
血に浮かぶ生気のない体は、紛れもなく彼等だった。