ワケがありまして、幕末にございます。
今
目を開けるとソコはまだ暗闇で、一瞬まだあの世界の中と思った。
しかしそれも目の痛みで直ぐにもう現実なのだと分かったが。
くそぅ、さっきの世界じゃ目を開けても平気だったのに。
…まぁ現実ではないのだから当たり前か。
それにしてもさっきの世界…夢は何だったのだろう。
やけにリアルで、でも非現実的で。
アレは自分が逃げ出したい、楽になりたいが為に見た、都合の良い夢…
だと思うし、父さんの意思の様だとも思う。
“生きて、生きて、死にてぇくらい生きまくれよ”
なんて。
自分の言いたい事だけ言って居なくなる。
だけど必ずアタシが迷った時のその答えをくれる。
自分の都合の良い夢でも、非現実的でも良い。
“幸せだった”
この言葉を聞けただけで。
“なら、もう、”
答えが分かっただけで、アタシはきっと強くなれる。
…けど。