ワケがありまして、幕末にございます。
さてこれどうやって収拾つけよう。
この際ここから出て行くか。
よしそうしよう。
皆が騒いでいる隙に出て行くべく、這って障子戸に向かい手を掛ける。
…ん?
…何だろう、嫌な予感。
ゴリゴリゴリゴリ
「痛い痛い痛いいったいぃ!」
「絶対安静、っつったよな?」
「その絶対安静者を痛めつけるのは良くないと思います」
真剣に痛いから。
「…愁くん、無理したら怒りますよ本当に。
いつか愁くんが言ったように、私達にとっても愁くんはとっても大切な人なんですから」
心底心配した様な、それでいて諭す様な沖田さんの声で素直に布団に戻った。
「な、な、その男ってやっぱ左之みたいな奴だったんだろ?」
「おいおい、俺みたいなイイ男そうそういねーぞぉ?」
「左之、左之、1回鏡見てこい?」
…もーヤダこの馬鹿トリオ。
溜め息をついてから平助の問いに答えた。
「残念ながら普通の中肉中背。
まぁ確かに顔は綺麗だったかな」
「やっぱり俺みてぇな奴だったんだな!
ガハハハハハハ!」
「あーハイハイ、もうお前等うるさいから帰れ☆」
「笑顔で言う事ちゃうよな…」
「小さい声で言っても聞こえてるから。
お前も帰れ」
「何で俺もやねん」
「丞、白髪の老人っつったろ」
「そう見えたんはしゃーないやろ」
「もーいーよ。
早く出ろ。
俺絶対安静。」
「「「(何だろう、どっかの誰かに似てきたよな…)」」」