ガラスのカケラ
私はうつむきながら正直な気持ちを父にぶつけた。


恐る恐る顔を上げると、父はいつもの穏やかな父に戻っていた。


さっきの怒鳴り声は何だったのだろうか。

「どうして嫌なのか、話してごらん。」



困惑気味の私に、父は理由を尋ねた。


理由を聞かれても困る。


私は性格を否定されたことに反抗しただけ。


でも、それだけじゃないような気もする。


私は必死に理由を探した。


でも、見つからない。



いや、心の奥に何かはあるのだけど、



ぼんやりとしていて説明できない。


自分でもわからない。


わからない。


わからない。
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