ガラスのカケラ

お泊まり

健輔の部屋に入ると、健輔は押入れから布団を出している最中だった。



「健輔くん」


そう呼びかけると健輔は枕と枕カバーを私に手渡す。


「はい、手伝って。」


「うん。」



健輔は慣れた手つきで布団にシーツをかけ始めた。



かけられたシーツはくちゃくちゃで、おばちゃんの注意はまったく無視されていた。




「もっとキレイに敷かなきゃだめだよ。」



「いいじゃん。どうせ寝るだけだし。」



「もう、めんどくさがりなんだから。」



「じゃあ、エリカちゃん敷いてよ。」



「もう、しょがないな。」



私はシーツを手早く整えた。

健輔はちょっと不満そうな顔をしている。


「ねぇ、健輔くん。何で私のこと見つけてくれたの。」



私はさっきの奇跡のような理由を尋ねた。
< 26 / 30 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop