ガラスのカケラ
健輔は不機嫌なまま布団にもぐりこむと、

あっと言って飛び起き、


「半分からこっち、入ってくんなよ」


と言い放った。





「わかってるわよ、そんなこと。健輔くんこそ入ってこないでよね。」


「俺、寝相いいから大丈夫だもん。」


「私だって。」


「エリカちゃんは背が大きいからはみ出すかもしれないじゃんか。」


「何それ!?ムカつく~。もう、トイレ行くから知らない!」



意味不明なことを言っていることはわかっていたが、
背が大きいと言われたことに腹が立って健輔の顔を見ていられなくなったのだ。


私が健輔の部屋を出て大股歩きでトイレに入っていく姿をおばちゃんはクスリと笑って見ていた。



トイレから出た私はおばちゃんに改めて聞きたくなった。


健輔がなぜあの場に来てくれたのか。
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