ガラスのカケラ

帰り道、川沿いの道を帰っていると、土手の下から悲鳴が聞こえた。

驚いて目をやると、健輔がいじめっ子にガラスの破片を突き付けられて泣き叫んでいた。


私はとっさに土手を駆け下りると、ガラスの破片を持った男子に体当たりした。


「あんたたち、いい加減にしなさいよ！」

私が一喝すると、いじめっ子達はマズイという表情を残して逃走した。


でも、私の高ぶった感情はまだおさまらず、

傍らで泣いている健輔にその矛先を向けてしまった。

「早川君！
何でやり返さないの！？
言い返さないの！？

あんたが弱っちいからイジメられるんでしょ！？」

すると健輔は泣きながら話し始めた。