伝えたい音~無音の世界で
桜が散ってゆき、5月になろうとする頃、僕は平凡に日々を過ごそうと努力をしていた。
はぁ…今日も何事もなく終わっていきそうだな…。
「よっ、一榎!!」
「ん?重っ!ひっつくな!」
高校で友人?とも言える、泉崎 逞(センザキ タクマ)は突然僕にのしかかってきた。
ちなみに名前で分かる通り男だ。
「うわっ、ひどっ…」
逞は顔を手で隠しながら嘘泣きをする。
「酷くないと思うけど。むしろ迷惑。誰のせいで入学してたった1ヶ月でホ●疑惑にされたと思ってるんだ!?」
「えー、誰のセイだろうねぇ~」
しらじらしい!
こいつのせいで僕はそう入学してからたった1ヵ月でホ●疑惑をかけられた。