伝えたい音~無音の世界で
「いやいや、よくねえーよ!!あっさりすんな」
「え。別にいいじゃん」
「お前が良くても僕はよくない!」
「なんで?別に男なんだからいいじゃん」
「よくねーよ!!明らかに今、みんな誤解してるよ!!」
「ん?そんなの元からじゃん」
「いや、元からじゃないからね!!今知り合ったばかりだから!!そして、さも俺は元からお前と仲良しなんだよって言い方するな!」
「え?だって俺らもう親友じゃねーか」
「いつ、どこでだよ!?」
「今日ここで」
「ふっざけんな!僕は了承したつもりはない」
「親友だ」
そう逞は強い目で言い放った。
僕にはない…強い目で。それは何かを決心した眼でもありすごく眩しかったんだ。
「どういう経緯で親友になるんだよ…」
とぼっそりと言う僕。
それを逞は聞き取ったみたいで、
「一度言葉を交わせば知り合いに、二度交わせば親友に、三度交わせば恋人にって言うじゃん!」
逞は自信満々に親指を立てた。
「いや、それ間違ってるから…」