それでも…
プロローグ
私に桜が咲いた春の日。
そう、合格発表の日。
私は不安を胸に抱えながら、正門を潜った…――。
「189、190、191、192…あった!」
「あったぁあぁーっ!」
これで、夢にまで見た高校生になれるっ!
「…グスッ。」
なんか安心したら、涙が出てきた。
「お前、バカじゃねえの??」
突然、頭上から声がしたと思って慌てて上を向くと…
金髪で長身の男が立っていた。
うわっ、不良だよ…。
関わらないようにしよ。
私はその場から立ち去ろうとした。
そしたら、不良は私の肩をガッシリ掴んできた。
「ひゃあっ!」
「お前に言ってんだよ、バカ。」
―カッチーン。
頭の何処かが切れた気がした。
「さっきから何なの!いきなり肩掴んできたと思ったら、バカだって!?」
全部言い終わった後、冷静になった。
やっちゃったよ…殺されるよ。
「…お前、覚えとけよ。」
そう言い残して、不良は去って行った。
あの制服は同じ高校だよなぁ…何されるんだろ。