『王恋』☆ハロウィンは恋ざかり☆
フェリクス&ハンナ
******
一方、フェリクスは舞踏会室に入ると早々に、真紅のドレスをまとったハンナを見つけた。
彼女の髪にフェリクスが以前誕生日プレゼントとしてあげたコサージュの髪留めがつけられている。
だからすぐにわかったのだ。
彼女は誰かを探しているよう。
数メートル先のハンナをじっと見つめていると、彼女の視線とぶつかる。
しかし、自分がフェリクスだとはわからないよう。
フェリクスはゆっくり歩き出すと、ハンナに話しかけた。
話す相手が誰だとは分からないようで、誰かを探しているそぶりをしている。
「どなたかと待ち合わせをしているのですか?」
声色を変えて問いかけるフェリクス。
「いいえ 待ち合わせはしていません でも、好きな人を探しているんです」
フェリクスの目と合さずに話し、めまぐるしく辺りを見廻す動く瞳。
「貴方の好きな方とは?」
「とても素敵な方です では、失礼いたします」
ドレスの両端を持ち、上品にお辞儀をして去ろうとしたハンナ。
その時、ハンナの腕をフェリクスは掴み足を止めさせた。
「? あ、あの?」
掴まれた手をたどり、フェリクスの顔を見るハンナ。
一方、フェリクスは舞踏会室に入ると早々に、真紅のドレスをまとったハンナを見つけた。
彼女の髪にフェリクスが以前誕生日プレゼントとしてあげたコサージュの髪留めがつけられている。
だからすぐにわかったのだ。
彼女は誰かを探しているよう。
数メートル先のハンナをじっと見つめていると、彼女の視線とぶつかる。
しかし、自分がフェリクスだとはわからないよう。
フェリクスはゆっくり歩き出すと、ハンナに話しかけた。
話す相手が誰だとは分からないようで、誰かを探しているそぶりをしている。
「どなたかと待ち合わせをしているのですか?」
声色を変えて問いかけるフェリクス。
「いいえ 待ち合わせはしていません でも、好きな人を探しているんです」
フェリクスの目と合さずに話し、めまぐるしく辺りを見廻す動く瞳。
「貴方の好きな方とは?」
「とても素敵な方です では、失礼いたします」
ドレスの両端を持ち、上品にお辞儀をして去ろうとしたハンナ。
その時、ハンナの腕をフェリクスは掴み足を止めさせた。
「? あ、あの?」
掴まれた手をたどり、フェリクスの顔を見るハンナ。