『王恋』☆ハロウィンは恋ざかり☆
「お探しの人を教えてくれますか?」


その声はいつも聞きなれた声。


「ぁ……」


ハンナは目を大きく見開いた。


フェリクス様……?


「私をお探しではありませんか?」


目元を隠しているマスクの下でにっこり微笑む彼にハンナの目が更に大きくなる。


「フェ、フェリクス様!そ、そうです!フェリクス様を探していたのです」


「良かった 私も貴方を探していました」


フェリクス様が私を探していた……?


本当にそうなら天にも昇る気持ちだわ。


戸惑うハンナの腰に腕を回したフェリクスは彼女をダンスに連れ出した。


たくさんのカップルが踊るそこは、色とりどりのドレスの花が咲き乱れていた。


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