『王恋』☆ハロウィンは恋ざかり☆

フェリクス&ハンナ2

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ハンナは夢見心地でダンスを楽しんでいた。


ずっと片思いしているフェリクス様とダンスをしているなんて……。


でも、本当の、本当にフェリクス様?


マスクの下の瞳は記憶にある緑色の瞳だけれど……もしエルンスト様がからかってダンスをしている?そうなら許さないんだから。


「どうしたんですか?」


「あ、いいえ ちょっと考え事を」


ハンナは彼がフェリクスか、知ろうと話をすることにした。


「今日は護衛をなさらないでいいのですか?」


「ええ 今日は自由にするようにと」


そこでくるりと軽々とハンナをターンさせる。


「その方は愛する人とご一緒なのでしょうか?」


「ふふふ、そうですね 彼は楽しんでいるようですよ」


口調は柔らかくてやっぱりフェリクス様みたい。


でも、エルンスト様ならやりかねないわ。


「エルンスト様はどこにいらっしゃるのですか?」


「今日は会っていませんからわかりません」


ハンナは彼ののらりくらりとした答えに内心苛立った。


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