『王恋』☆ハロウィンは恋ざかり☆
本当にフェリクス様?


戸惑いながらダンスをしていると、右足が彼の足を踏んでしまった。


ぐらりと揺れた身体がフェリクスの身体にぶつかる。


「!す、すみません」


ハンナは急いで謝った。


「いいえ、ですが意外と用心深いのですね?」


「え?」


「私が本物のフェリクスか試しているのでしょう?」


「……本……物……の――」


本物のフェリクス様なのですか?と聞こうとした時、唇が彼の唇に塞がれた。


驚いて目が大きく見開く。


すぐに顔を起こしたフェリクスはにっこり微笑む。


「私を疑った罰ですよ」


ハンナは今にも気を失ってしまいそうなほど驚いた。


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