『王恋』☆ハロウィンは恋ざかり☆
「……私はマスクのままでは嫌です フェリクス様のお顔をはっきり見たいです」


ハンナはフェリクスのマスクに指を伸ばした。


フェリクスもハンナのマスクに手を伸ばし……互いが一緒にゆっくり外していく。


そして月明かりが2人の顔を照らすと、フェリクスはハンナの唇に唇を重ねた。


「ん……」


二度目のキスは先ほどのキスより大胆で、もっとハンナの心臓を暴れさせるものだった。


身体が熱くなり、もっと……とねだりたくなる様なキス。


どのくらい時間が経ったのだろうか、キスが止められるとハンナは我に返って手を口元にやった。


「こ、こんな雰囲気だからキスをしたのですよね?」


「本当にそんなことを思っているとしたらまた罰しますよ?」


少し怒った様な声にハンナは恐る恐る彼を見た。


「ぇ……」


「でも私の失態でした 貴方に好きだと言わずにキスをしたのですから」


「え……?わ、私を好き?」


フェリクスの言葉が信じられないハンナだ。


「ええ 貴方が好きです」


ハンナは嬉しさに息を呑むと同時に涙が溢れ出てきた。


「嬉しいです……私も大好きです」


ずっと片思いだと思っていたから……。


フェリクスはハンナの頬に伝わる涙を唇で受け止め、唇を重ねた。




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