『王恋』☆ハロウィンは恋ざかり☆
「教えて?」


リンはもぞもぞと夫の方に向いてもう一度聞く。


「さあ?」


アルはそっけなく言って肩をすくめる。


「さあ?って教えてくれないの?」


リンは小首を傾げて聞く。


「教えたらつまらないだろう?」


胸のボタンを外すことを止めたアルの指先が艶やかな黒髪を梳いていく。


「そんなことないですぅ」


「見つける自信がないとか?私はリンを見つけられる自信があるよ?」


「私だって見つける自信あるわ」


売り言葉に買い言葉でリンは言った。


「なら、問題ないね?パーティーを楽しもう」


「そうだね たっぷり楽しまなきゃ 初めてのハロウィンパーティーだし」


リンの心の中は意地悪なアルを蹴とばしたい気分だった。







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