『王恋』☆ハロウィンは恋ざかり☆
エルンストは図書室の鍵を静かに開けてするっと中へ忍び込んだ。


部屋の中は暗いが、重いカーテンが一ヵ所開けられているようで、そこから月明かりが差し込んでいる。


彼らを探そうと一歩踏み出した時、女性のすすり泣く声が聞こえた。


「やっぱりできません　お願いです！止めてください」


「もう遅い、私はお前が気に入ったんだ　いまさら止められないぞ？金が欲しいんだろう？」


「きゃっ！」


ドスンと何かがぶつかる音がした。


その会話でエルンストはこの状況を把握した。


「止めてください！お願いします！」


切羽詰まった涙声の彼女。


エルンストは静かにふたりに近づいた。


絨毯の上でインジェットは彼女に覆いかぶさり、分厚い唇で彼女の耳を愛撫していた。


エルンストに気づかないインジェットは手をドレスの下に入れようとした時、男は身体に衝撃を受け、呻いて床に転がった。


エルンストはインジェットの臀部を強く蹴ったのだ。


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表紙・目次

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