『王恋』☆ハロウィンは恋ざかり☆
パッと離れたリンの様子を見ていたアルはリンの顔を覗き込んだ。


「リン様、コンタクトレンズをお外しになったらいかがですか?」


「ん……」


「こちらへいらしてください」



*****



アルはリンを王室関係者しか入れない控えの間に連れて行った。


「ここにお座りください」


大きな鏡のあるドレッサーの前の赤いビロードの丸イスに腰をかけるようにアルは言った。


リンを座らせたアルは隣の部屋で手を洗い戻ってきた。


「さあ、お顔を上げてください」


「じ、自分で出来ますっ!」


顎を指先でクイッと持ち上げられフェリクスのキレイな顔を目の当たりにしたリンは急いで言う。


羽のマスクをゆっくり外される。


「や、やっぱり自分で――」
「動かないでください」


アルはリンの目に長い指を近づけた。


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