『王恋』☆ハロウィンは恋ざかり☆
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ハロウィンパーティー当日、シャーベットオレンジ色のドレスを着たリンは鏡の前でくるっと1回転した。


何重にも使われた裾のフリルがふんわりと動く。


教育係兼、身の回りの世話をしてくれるジーナはその様子ににっこり笑みを漏らす。


本当に可愛らしい妃殿下だこと。




リンは鏡を覗き込むと、ハニーブロンドの髪が頬をくすぐる。


鏡の中の自分は自分でないみたい。


黒髪から艶やかなハニーブロンドに変わり、瞳は夏の海のようなエメラルドグリーン。


しかし初めてのカラーコンタクトで目が痛い。



「ジーナ、これはしなくちゃダメかしら」


ジーナの方に振り向いて自分の瞳を指さして聞く。


「ええ 黒い瞳ではアル様にすぐに分かってしまいますわ」


「そうだよね 仕方ないか、アルは私を見つけるって自信たっぷりだったからね」


「そうですわ そのお姿はリン様だと絶対にわかりませんわ」


リンは満足そうに頷いて、もう一度鏡を覗き込んだ。


手に持つのは目元を隠す羽のマスク。


ペパーミントグリーンに染められた羽で瞳の色が更に深い緑色に見える。



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